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月別アーカイブ: 2025年2月

第4回シロアリ駆除雑学講座

皆さんこんにちは!

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~予防~

今回は、シロアリの予防方法について、基礎知識から最新の防蟻技術まで深く掘り下げて解説します♪

シロアリは、木造住宅の大敵として知られています。毎年、日本国内では数十万件のシロアリ被害が報告され、修繕費用は数千億円規模に達するとも言われています。シロアリ被害を受けると、住宅の基礎や柱が食害され、最悪の場合、建物が倒壊する危険性もあります。

しかし、シロアリの被害は事前に予防することが可能です。適切な対策を講じることで、住宅の耐久性を保ち、長く安心して住むことができます。


1. シロアリの生態と被害のメカニズムを知る

① 日本で問題となるシロアリの種類

日本で特に被害を引き起こすのは、以下の3種類のシロアリです。

  1. ヤマトシロアリ(全国に分布)

    • 湿気の多い木材を好む。
    • 地面から侵入し、床下や柱をゆっくりと食害する。
    • 加害速度は遅いが、長期間にわたると深刻なダメージを与える。
  2. イエシロアリ(関東以南の温暖地域に分布)

    • 乾燥した木材でも食害する強力なシロアリ。
    • 大規模なコロニーを形成し、建物全体に被害を及ぼす。
    • 加害速度が速く、一度侵入すると被害が広がりやすい。 
  3. アメリカカンザイシロアリ(主に本州、四国、九州、沖縄に分布)
  • 他のシロアリとは異なり、土壌に巣を作らず、乾燥した木材の中に巣(コロニー)を形成する。
  • 建物内部の木材や家具に直接巣を作り、内部を食害するため、建築物に大きな損傷を与える。
  • 加害スピードは遅く、木材の表面は食べないため外見からは被害に気づきにくく、知らないうちに被害が拡大する恐れがあります。

予防のポイント:どのシロアリが脅威となるのかを知り、それに応じた対策を講じることが重要。


2. シロアリの侵入を防ぐ基本対策

① 家の構造と環境をシロアリが嫌う状態にする

シロアリは、湿気・暗闇・木材を好みます。これらの条件を取り除くことで、被害リスクを大幅に下げることができます。

1. 湿気対策を徹底する(床下の湿度管理)

  • 通気を確保し、通気を良くする。
  • 24時間換気を設置し、湿度を下げる。
  • 家の周囲に水たまりやぬかるみを作らない。
  • 雨漏りや水漏れを早めに修理する。

2. 木材の直接接地を避ける

  • 基礎部分にコンクリートを使用し、地面からの直接侵入を防ぐ。
  • ウッドデッキや庭の木材部分は、防蟻処理を施す。
  • 薪や木材を直接地面に置かず、シロアリの住処にしない。

3. 防蟻処理された建材を使用する

  • ヒノキやヒバ・スギなど、シロアリが嫌う成分を含む木材を使う。
  • ホウ酸処理を施した木材を採用する(効果が長期間持続)。

3. シロアリの侵入経路を塞ぐ「物理的防蟻対策」

シロアリは、わずか1mmの隙間からでも侵入するため、物理的なバリアを作ることが重要です。

① 防蟻シート・「シロアリエンキリテープ™」・防蟻コーキングの設置

  • 基礎部分にシロアリ専用の防蟻シートを敷設し、物理的な侵入を防ぐ。
  • 断熱材天端に「シロアリエンキリテープ™」を貼り付け。
    1.無機系の銅配合により、長時間持続する優れた防蟻効果
    2.モルタルと密着するので、玄関土間の断熱材天端にも最適
  • 防蟻コーキングで水抜き穴・セパレート金具・配管周りなどを塞ぐ。

② コンクリート基礎の適切な施工

  • 住宅の基礎を布基礎ではなくベタ基礎(全面コンクリート)にすることで、地中からの侵入を防ぐ。
  • 基礎部分のひび割れを定期的に点検し、補修する。

4. 薬剤を使った防蟻処理の方法

① 土壌処理(家を建てる前の対策)

  • 建築前の地面に防蟻薬剤を散布し、地中からのシロアリ侵入を防ぐ。
  • アルトリセット200SCを使用すると、長期間効果が持続し、安全性も高い。

② 木部処理(既存住宅の対策)

  • 床下や柱に防蟻薬剤を塗布する
  • 5年ごとに再施工することで、効果を維持する。
  • ホウ酸処理で半永久的に効果を維持する。

③ ベイト工法(毒餌による駆除・予防)

  • シロアリの好むエサ(毒餌)を設置し、巣ごと壊滅させる。
  • 定期的にチェックし、侵入を未然に防ぐ。

5. 最新技術を活用したシロアリ予防

①トレロナATBS

  • シロアリの行動に関する最新の研究結果と技術を組み合わせておりシロアリ防除の専門家が最も効果的なベイト材

② 自然由来の防蟻剤の活用

  • ヒノキやヒバの精油を使った防蟻スプレー。
  • ホウ酸処理された建材で、長期間の防蟻効果を確保。

③ ロボット点検による床下調査

  • 床下に入るのが難しい家では、小型ロボットを使い、シロアリ被害をチェックする技術が発展している。

6. シロアリ予防のチェックリスト

床下の湿気対策(換気・防湿シート)
家の周りの木材や不要な木片を撤去
防蟻コーキング・ 防蟻シート・シロアリエンキリテープの設置
ホウ酸処理された木材の活用
定期的な専門業者による点検


7. まとめ:シロアリ予防は「事前対策」がカギ

シロアリは、一度侵入すると被害が拡大し、修繕には多額の費用がかかります。しかし、適切な予防策を講じることで、被害を未然に防ぐことが可能です。

シロアリ予防の重要ポイント

  1. 湿気を抑え、床下環境を整える。
  2. 防蟻シートやコンクリート基礎で侵入を防ぐ。
  3. ホウ酸処理やベイト工法を活用し、シロアリを寄せ付けない。
  4. IoT技術やロボット点検を取り入れ、早期発見を徹底。

「シロアリ予防=住宅の寿命を延ばす」ことに直結するため、長く快適に暮らすためにも、しっかりとした対策を講じましょう!

 

 

第3回シロアリ駆除雑学講座

皆さんこんにちは!

JAST株式会社、更新担当の中西です。

 

さて今回は

~歴史~

今回は、シロアリ被害の歴史、日本におけるシロアリ対策の発展、防蟻技術の進化について深く掘り下げて解説します♪

 

シロアリは、木造住宅に深刻な被害をもたらす害虫として知られ、日本では古くからその対策が重視されてきました。シロアリ対策工事は、住宅の耐久性を維持するための重要な施工であり、時代とともに防蟻技術が進化してきました。


1. シロアリ被害の歴史:日本の住宅との長い戦い

① シロアリの生態と日本における分布

シロアリは世界中に生息しており、日本では主に以下の3種類が住宅被害の原因となります。

  1. ヤマトシロアリ(全国に分布)

    • 湿気の多い木材を好み、主に床下や湿った木材を食害する。
    • 地中から侵入し、ゆっくりと被害を拡大させる。
  2. イエシロアリ(関東以南の温暖地域に分布)

    • 加害速度が速く、大規模な被害を引き起こす
    • 乾燥した木材にも被害を及ぼし、建物全体を侵食することもある

 

  1. アメリカカンザイシロアリ(主に本州、四国、九州、沖縄に分布)
    • 他のシロアリとは異なり、土壌に巣を作らず、乾燥した木材の中に巣(コロニー)を形成する。
    • 建物内部の木材や家具に直接巣を作り、内部を食害するため、建築物に大きな損傷を与える。
    • 加害スピードは遅く、木材の表面は食べないため外見からは被害に気づきにくく、知らないうちに被害が拡大する恐れがあります。

これらのシロアリは、日本の気候(高温多湿)に適応しており、古くから木造建築に被害をもたらしてきました


② 古代~中世:木造建築とシロアリ対策の始まり

日本の住宅は、奈良時代(8世紀)から木造建築が主流であり、シロアリ被害は当時から発生していたと考えられます。しかし、この時代の建築物は寺社仏閣のような大規模建築が中心であり、一般住宅の耐久性にはあまり関心が持たれていませんでした。

  • 寺社建築の防蟻対策
    • 礎石建築(地面に直接木材を接触させない)
    • ヒノキの使用(ヒノキはシロアリに比較的強い)
    • 湿気対策としての高床式建築

しかし、一般住宅ではシロアリ被害が頻繁に発生していたと考えられます。


③ 江戸時代:防蟻技術の発展

江戸時代(17~19世紀)になると、木造の長屋や武家屋敷が増え、シロアリ被害が住宅問題として認識されるようになりました。この時代に取られた対策には以下のようなものがあります。

  • 焼き土台の使用:基礎部分の木材を火であぶって表面を炭化させ、防蟻性を高める。
  • 塩や灰の利用木材の周囲に塩や木灰をまくことで、シロアリを寄せ付けないようにする
  • 水はけの改善:家の周囲に溝を掘り、湿気を逃がしてシロアリの発生を防ぐ。

これらの方法は自然由来の対策であり、化学薬剤を用いた防蟻技術が登場するのは近代以降になります。


2. 近代のシロアリ対策(明治~昭和)

① 明治時代:西洋建築の導入と防蟻技術の発展

明治時代(1868~1912年)になると、西洋の建築技術が導入されました。しかし、洋風建築でも木材が多く使用されたため、シロアリ被害は依然として深刻な問題でした

  • 防蟻薬剤の開発

    • この時代に、クレオソート(木材防腐剤)が使われるようになる。
    • 主に鉄道の枕木や電柱の防腐処理として利用されたが、住宅建築にも応用された。
  • コンクリート基礎の採用

    • 木造住宅の基礎部分にコンクリートを用いることで、シロアリの侵入を防ぐ試みが始まる。

② 昭和時代:化学薬剤による本格的な防蟻工事の普及

戦後の復興期(1950年代~)には、住宅建設の需要が急増し、それに伴いシロアリ被害も増加しました。このため、昭和時代には化学薬剤を使用した防蟻対策が本格的に普及しました。

  • 有機塩素系防蟻剤(DDTなど)の使用(1950年代)

    • 高い防蟻効果を持つが、環境への影響が問題視され、後に使用禁止
  • クロルデン系防蟻剤の導入(1960~70年代)

    • 効果が長持ちし、コストも安価だったが、人体や環境への悪影響が指摘され、1990年代に禁止
  • ベイト工法の開発(1980年代)

    • シロアリを直接駆除するのではなく、毒餌(ベイト)を利用して巣全体を壊滅させる方法が登場。

この時期に、防蟻工事が住宅建築の標準工事として組み込まれるようになり、一般家庭でも防蟻処理が行われるようになりました


3. 現代のシロアリ対策(平成~令和)

① 環境に優しい防蟻技術の進化

近年では、人体や環境に配慮した防蟻技術が求められるようになり、新たな対策が登場しています。

  • ホウ酸系防蟻剤(安全性が高く、長期間効果が持続)
  • 物理的防蟻シート(シロアリエンキリテープ)(薬剤を使わずシロアリの侵入を防ぐ)
  • 自然由来の防蟻材(ヒバ油・ヒノキ精油)(天然成分による防蟻効果)
  • ベイト材(トレロナATBSなど)

4. まとめ:シロアリ対策工事の歴史と未来

シロアリ対策工事の歴史は、日本の木造住宅を守るための技術の進化の歴史でもあります。

  1. 古代~江戸時代:自然素材を活用した防蟻対策(礎石、焼き土台、塩・灰)。
  2. 明治~昭和:防蟻薬剤(クレオソート、DDT、クロルデン系)の導入。
  3. 平成~令和:環境に優しい防蟻技術(ホウ酸、防蟻シート、ベイト材)の発展。

これからのシロアリ対策は、環境負荷を抑えながら、より持続可能な防蟻技術を開発することが求められるでしょう。シロアリ対策工事は、今後も住宅の安全性を確保するために欠かせない存在であり続けます。